2017年1月8日日曜日

Easton EC90 Aero 55 Clincher インプレッション

Venge ViASを購入してから約2ヶ月。
どうもホイールとの相性が悪いような気がしてました。
そこでとあるホイールがCRCで激安になってました。
それなりに名のあるホイールなので速攻で売り切れかと思いましたが
全く売れる様子がありません。
ちなみにまだ売ってますからねw

どうしようか思案してる最中にイギリスのEU離脱やらあって
ポンドはあがったり下がったり。
そんな日に呑んで帰ってくるといつもより割引率UPの60%引き。
光の速さでポチッとしてしまいました。
呑んだときの物欲反射神経はヤバイですね。
で、CRCさんも珍しく本気出して1週間ほどで到着。


ドン!
勘のイイ方はタイトルで気付いたかも知れませんが
アメリカの名門EASTONです。
名門と言いつつホイールはVELOMAXを買収してからですけどね。


前後で別売りしてるのでハコは二つです。


メイドイン台湾ですね。
台湾の自転車力は世界一だと思ってるので問題ありません。


開けます。


出します。


フロントホイール。
いいね。


リアホイール。
いいね!


前後。
最高です!


ホイールってなぜにこんなにローディの心を惹きつけるのだろうか。
これは黒いダイアモンドだといっても過言ではない。


付属品を見ていきます。
ホイールとクイックの説明書。


前後クイック。


なかなかエアロを意識したかのような形状。
悪くありません。
が、手に持つとやたらとずっしり。
さてはコレは鉄!



前後で140g。
この価格帯のモノとしてはチタンにして欲しい気もしますが。
後述する仕様による強度を重視したものと思われます。


あとはチューブレス用のバルブが付属しています。
バルブコアが外せるタイプとのことです。
シーラント入れやすくていいね。


11g。
ディープ様なので長くて重いですね。


ブレーキシューはEASTON印のイエローキングが付属してましたが
これは使わずにブラックプリンスを使っています。
あとはバルブコアツールが付属してました。



ホイールに巻かれていたラベル。
FULLY FEATURED AND FASTとかカッコいい感じです。


一応10速用のスペーサーも付いていました。


チューブレスバルブつけたらこんな感じ。


このホイールの特徴でもあるチューブレス対応のロゴがあります。
初回なのでCLのタイヤを装着しましたが次はチューブレス使ってみたい。

リムにはハトメで補強してあり外出しのニップル仕様です。
チューブレス版は内蔵ニップル仕様ですね。


ブレーキ面は少し加工をしてるようでザラっとしてます。
この穴は水抜き用の穴でしょうかね?


クリンチャー仕様なのでビードフックがあります。
非常にしっかりとしたリムです。


バルブ穴からロゴが見えます。
流石ですね。


このシールはLEW系の工場で作ってるとの噂です。
しらんけど。



フロントも同様。



気になる重量は
フロント 719g
リア 897g
合計1616gとなります。
分かってましたが重いですね。

東商会の現在のカタログ重量は『平均重量1,630g(前後セット)』
発表時のカタログ重量は『1580g』となっています。
なのでまあこんなもんなんでしょう。

55のチューブラー版が前後1340gとなっています。
おおよそリムだけの違い(ニップルの内蔵によるスポークの長さの違いもあるけど)
で290gほどの差があります。
片輪だと145g。

TUで1340gのホイールだとリム重量は400gを切っているかと思われるので
クリンチャー版のリム重量は530g前後あるんじゃないでしょうかね?
リムハイトがあるとはいえ、最外周部に150g近くが乗っかってるわけですから
重いリムであると言わざるを得ないでしょうね。


リム幅ですが、ブレーキ面で28mm。


最も厚い所で29mmあります。
これは現状ROVALのCLX64と並んで最も太いリムになると思います。
あ、買った値段は半分以下ですけどね。


リムの内幅は19mm。
一応、23Cも履けることになっています。
ROVALだとフロントは22Cを履かせたりしてるのでこれでもイケるかもしれません。


リムハイトは実測で56mmほど。
ディープですね。
50mmと越えてくるとやはり履かせたときの迫力が違います。


フロントのフランジ幅は77mmほどとワイド。


リアはスポークの外外で54mmくらいとそれほどでもない。
(写真の都合でノギスが離れて見えますが実際はそんなもんでした。)
とはいえ、両側クロスですし、ストレートスポークですし、
なによりテンションがキンキンなので横剛性もそれなりにあると想像出来ます。

フロントはスポーク16本のラジアル組。
リアのスポークは20本。
ハブはハイローフランジでDSが2クロス、NDSが1クロス。


リアハブはこんな感じですが、見えてるキャップをとれば



フリーはスポッと抜けます。
工具は全く要りません。
爪の数が多くて伝達効率が良さそうな気配がしますね。


こういう切削加工とかハブのロゴとかイイですね。
フランジにはリングが付けてあってスポークが外れるのを防止する役目があります。
あとはフランジの変形を防ぐような役割もあるのかもしれません。
昔のZIPPのハブにあったような機構ですね。


こっちもキャップを外せばベアリングが出てきます。
この外側にベアリングを持って来て剛性をあげるというのもECHOハブの特徴。
思うにベアリングが外にあるってのは対フレームの剛性で、
フランジ幅は対駆動力の剛性になるんじゃないかと思います。
難しい表現ですがニュアンスが伝わったら幸いです。




フロントも同様の仕組み。
フランジの軽量化がたまりませんね。


上の方で少し書きましたが、このECHO HUBはベアリングの調整機構が無く、
クイックで締めることによって遊びが無くなるシステムです。
なので、専用のクイックを使いましょうと言うことらしいです。
間違ってもヒルクライムレース中に外れるような超軽量クイックは使ってはダメです。


タイヤですが、今回は新製品のミシュラン POWER COMPETITION 23Cを用意しました。
私はタイヤはCLもTUもシュワルベのONEがお気に入りです。
総合的な性能がバランス良く優れていると思うからですが、
今回は転がり抵抗の少なさというのを目指してみようかなと。
価格は海外で3000円台で買いました。

抵抗の少なさというとCORSA SPEEDが最強っぽいですが
シーラント必須のチューブレスレディは敷居が高いですし、
同じく最強クラスのスペシャのTURBO コットンは
スキンサイドが気に入らないのと寿命が短かそうなのが気になります。高いしね。
スーパーソニックはパンクガードが無い時点で選外です。

CORSA G+はグレーサイドが出たので使ってみたいですが。
次は多分IRCのチューブレスかな。

ミシュランのタイヤはPRO3以来で
PRO3はハメにくいしサイドが溶けてくるし
あのモチモチの走行感もあまり好きではなかったです。



重量は195gと200g。
カタログ重量が195gです。
こんなもんですかね。


チューブはMAXXISのULTRA LIGHTをチョイス。
ラテックスを入れたいところですがカーボンクリンチャーでは御法度なので自重。
さすがに重量級ホイールに100g級のチューブもツライ。
かといって更に軽いFLY WEIGHTは取扱いに不安が残る。高いしね。
ということでコレです。

バルブは60mmだとたぶん届かないので
48mmでエクステを付けることにします。
あ、バルブコアが外せるチューブの選択肢があまりないのでマキシスです。
マキシスのOEMならどこでも良かったんですが、
なんとなく信頼出来る気がしたので。

スペシャやシュワルベで80mmのバルブのものもありますが
高いし、入手性が悪い気がしたので止めときました。
最近はR-AIRも2ピースバルブの出ましたね。買いませんが。



重量は67g。
バラツキがないのが素晴らしいです。


このまま差してもまったく出ません。
エクステが2cmは必要ですね。


ということで、シュワルベのエクステを購入しました。
コレにした理由は黒いからです。
というのとネジが切ってあるのでバルブを固定出来るから。


重量は2コで3gです。
アルミなので軽い。


ちなみにタイヤはかなりハメにくく。
レバーを使うとチューブが激しく咬みそうだったので
素手で頑張った結果、一皮むけることに成功しました。

やっぱりミシュランのタイヤはハメにくいです。
ワイドリムだと言うこともあるのかも知れませんが。



あまりに硬かったのでこんなモノを買ってやりました。
巷ではタイヤペンチなるものが流行ってるようですが
さすがに持ち運べるサイズではないなぁ
と思ってるとコレを見つけたので捕獲しました。
ちなみにまだ使った事がないので使用感は分かりませんww
コレだったらチューブレスでも使える気がしませんか?


話には聞いてましたがワックスがてんこ盛りでエライ事になりました。
手も床もワックスカスがポロポロ落ちて大変な目に。


リム内幅が19mmもあるので23Cを履かせたら実測25mmになりました。
25Cのタイヤが23Cの重さで使えることになります。
これはイイですね。
25C履かせたらどれくらいになるのかも気になりますが。


なんとかタイヤを履かせてエクステ付けてバルブナットで固定します。
リムのバルブホールが結構大きめだったので音がかなり鳴るはずなので対策です。
バルブナットはマジックアノダイズ処理を施工しました。


リムとバルブナットの間にはOリングを咬ましています。
これで音鳴りと同時にリムが傷つくのも防げます。


これで次の日に珍しく夜練に走りに行ったのですが
なぜかスピードセンサーが反応しません。
早くも電池切れかと思っていたらマグネットを忘れていたというオチでしたww

在庫の四角いマグネットがなかったので鉄下駄から外して付けました。
自分で言うのもなんですが、自己融着テープの処理がプロいです。


バイクに装着するとこんな感じです。
思ったよりロゴが五月蠅く感じます。
もっと色の入ってないバイクだと似合うと思うんですが。。。
バーテープとサドルの色変えたいなぁ。

ということでようやくホイールとタイヤの紹介が終わりました。
ちなみにタイヤを履かせる前にのむラボで初期点検を済ましています。
振れ、センターズレともにほとんど無くすぐに終わりました。


肝心のインプレに入ります。
ちなみにEC90を装着するにあたりVengeのブレーキカートリッジを薄いのに変更。
そして、ワイヤーの引きも調整というメンドくさい手間をかけています。
(Venge ViASのワイヤー引きしろの調整はT10のトルクスが必要でメンドイです。)
シューはイエローキングからブラックプリンスの新品に変更。
で、Vengeのブレーキの調整幅から前の3Tのホイールに容易に戻せません。
なので交互に履き替えたレビューというのが出来てないインプレとなっています。


まず、第1に感じたのが転がり抵抗の少なさです。
これはもちろんタイヤの性能とも言えるわけですが、
チューブラーでは感じた事のない進み具合です。
25C相当のタイヤ幅になってることも有利に働いてることは想像に難くない。
あとは縦剛性の高さ、ハブの回転性能もかなり高いので転がりっぷりがスゴイです。
脚止めたときのスーッと進む感覚がヤバイ。
平坦、下りでは大きな武器になると思います。

次からは各性能を分類して書いていきます。

■剛性 ★★★★★
縦剛性をとにかく感じます。
硬くて反応性がよいホイール。
スポークが張っている力もあるんでしょうが、
リムの硬さも感じるんですよね。
56mmのディープであると言うことと
クリンチャー化による外周部の剛性UPが効いているんでしょう。
ホイールというかリムが回ってる感を感じるのは初めての体験でした。

横剛性の高さってのはそんなに感じた事はありませんが、
ダンシングしてもシュータッチしませんし
コーナリングも安定した気がするので一定以上はありそうです。

縦剛性の話に戻しますが、
硬くて乗り心地は明らかに悪くなりました。
タイヤの空気圧はいままではクリンチャーであれば7.3~7.5気圧程度入れてましたが
それでは硬すぎと感じたので今は6.5~6.8気圧あたりにしています。
それでも悪路だと跳ねやすいと感じています。


POWERはどこかで通常よりも空気圧低めがオススメ的な記事を見たので
もう少し低めでもいいのかも知れません。
25Cを試してみたいですね。

まぁコレはタイヤとのマッチングによる話かも知れませんが
たぶん、他のタイヤでも跳ねやすい気がしてます。
フレームも明らかに縦に硬いので仕方ないと思ってますが。

■平地的な性能 ★★★★★
まぁ、これは最高ですよねw
見たら分かるだろっていう。

さすがに漕ぎ出しはちょっと重いんですよ。1300g級のホイールに比べるとね。
で、30km/hまでの加速も軽量リム勢に劣るかも知れません。
35km/h越えたあたりからがこいつの持ち味ですからね。
そっからは最高ですね。めっちゃ楽です。
50km/hあたりの巡航時間も幾分伸びた気がします。

■登りの性能 ★★☆
これがまあ良く分かんないですけどね。
剛性が高いので回してる分には登るのは登ります。
ダンシングとか大パワーだと反応良く登る。
斜度が上がってケイデンスが落ちるとちょっと重さを感じるかな。
これが気になるが為に次はEC90 SLのTUが欲しいと思ってしまう。
ヒルクライム出るなら流石に軽いのにしたい。
緩斜面ならこれで戦えると思うけど。
1600gホイールの割りには良く登るという評価。
ZONDAくらいの性能じゃないかと思います。

■コーナリング ★★★★
剛性が高い(これしか書いてないなw)ので幾分曲がりやすくなった気がする。
グリップ力もミシュランPOWERで不足に感じた事はほぼないです。
岡山国際サーキットやら通常のダウンヒルでは。
(Venge ViASの下りはいまだに掴み切れてないため一般道では攻めれてません。)
で、唯一コーナリングに不安を感じたのが鈴鹿のヘアピン。
集団内で行くと問題無いが先頭で攻めたときにタイヤが鳴いてグリップ感の不足を感じました。
これはチューブラーでは感じた事がないので(硬いTUFOですら問題無い)
やっぱりクリンチャーなんだなと思いました。
これはタイヤを25Cに変えてエアボリュームを増やしたらまた違うかも知れません。

ちなみに個人的な話ですが、グリップ力とグリップ感は別なのかなと思ってます。
クリンチャーだと倒し込んだときのグリップ感が希薄に感じて怖いです。
なのでそれ以上は行けません。
でも、本来のグリップ力はもっとあるかもしれません。
チューブラーだとタイヤがしなるのでグリップ感が変わりません。
なのでかなり攻めたコーナリングが出来ます。

■ブレーキ性能 ★★
これも非常に難しい・・・
なぜならVenge ViASのブレーキがウンコ説があるからであるww

他のインプレ記事を読むとかなりブレーキが効くらしい。
リムを見てもブレーキ面は表面を処理してあり効きそうな感じもある。
さすがに今時のMavicとかカンパとかの処理には及ばないだろうけど。

付属のシューはイエローキングでだけどブラックプリンスで運用した場合、
Venge ViASのブレーキと組み合わせるとブレーキが余り効きません。
初期の制動が遅れる感じがします。
強めに握ってブレーキが食いつくとまぁまぁ効きますが
フィーリングが悪いと言わざるを得ません。

3Tのホイールでもカンパのブレーキに比べて明らかに悪くなったので
Venge ViASのブレーキが悪いんだと思います。
Vengeの完成車に乗ってる知り合いもブレーキ効かないって言ってたし。

ウエットではまだ使ってないので分かりません。
雨っぽいときは別のバイクで行くことが多いので。

■エアロ ★★★★
多分、かなりエアロだと思います。
なかなか比較もしにくいし何とも言えませんがね。
そうじゃないと平坦の速さが説明付かないし。
それじゃなかったら29mmのリム幅と55mのリム高の意味が無いので。
ただし、真横方面からの横風はダメですね。
ワイドリムが有効なのはやはり正面から斜め方面なんでしょう。


と、こんな感じかな。
これからはいろいろな情報や雑感など。


こちらの記事でEaston EC90 Aero 55のインプレがあります。
『Stiff and fast but crosswind and braking performance is lacking』
とのことです。ブレーキもダメなのかも知れませんw


こちらにEASTON謹製のデータが載っています。
タイヤのチョイスは非常に興味深い。
細いタイヤの方がイイというデータが出てますね。
これはスペシャがフロントを22Cにしてることからも信頼性が増しますね。
25Cのクリンチャーのデータ欲しいよね。


これはあくまでタイヤの話になりますが、
チューブラーとクリンチャーのホイール含む絶対性能だけで考えた場合。
(使いやすさやパンク時の話などは無視)
転がり抵抗だけで言えばクリンチャーの方が優れているかも知れません。
しかし、それ以外の軽さ(に関わってくる走行性能)や
コーナリング性能を考えた場合はまだチューブラーの方が有利かなと思います。

じゃあ、なんで買ったんだという話をすると
サドルバッグを付けたくない→タイヤを持ち運ぶのがメンドくさい→
普段使いならクリンチャー→カーボンクリンチャーならレースも出れるかな?
って感じです。
実際にサーキットやらクリテではこれくらいの重量なら苦になりませんしね。
ガチのヒルクライムレースなら流石に履きませんが。

あとはやはりVenge ViASに履かせると言うことでディープ一択なんですよね。
あとはTUかCLかって話で。
どうせディープなら重くて平坦番長でもいいかと。
完成車にはRovalのCLX64が付いてるわけですしね。

そう、本来ならVengeにはRoval CLX64が最高だと思うんですよ。
ただ、アレは高いんですよね。
定価が下がったとはいえ税込み30万。
2割引きで買えたとしても24万。ちょっとキツイ。

ちなみにイギリスだとかなり価格が安いです。
トランプ前なら18万くらいだったかな。
かなり探しましたがスペシャを日本に送ってくれるところはありませんでしたがw
ほんとにアメリカのメーカーは通販徹底してるよね。

次点のZIPPも考えてましたがTUやCLで20万前後。
素敵なNSWなら30万弱。454ならもっとだww
その点、EC90はクソ安かったですからねww
性能は大して変わらないと思えましたし。
コスパを重視する人間からすれば買わない手はないレベルでした。

ちなみに現状はコスパで言えばBORA ONEがTU、CLともに最強だと思いますけどね。
正直LOOKには履かせたいもん。無駄になるから買わんけど。

長くなってきたのでそろそろ終わります。
・剛性が高くエアロなホイール。
・クリンチャーなので普段使いに便利。レースもイケる。
・安く買えるならコスパ良し。
・ただし重いので登りはそれなり。

そんな感じでなかなかイイ買い物ができました。
次はリム幅が同じEC90 SLが欲しいですwww
いや、Venge ViASのブレーキさえまともなら別の選択肢もありますけどね。
その前にチューブレスで遊ぶやで。